私のお母さん
今週のお題「私のお母さん」
私のお母さんは、究極のロマンチスト。
音楽が好き、歌を歌うこと、絵を描くことが好き。
私が物心ついた時には、家の中にはいつも、音楽かお母さんの歌声があった。
流れている曲は、古いLPのレコードで、サイモン&ガーファンクルであったり、ジョルジ・シフラの「ラ・カンパネラ」やジョン・オグドンの「調子のよい鍛冶屋」なんかで、時にはウィーン少年合唱団のCDも流れていた。
母が歌う歌は、日本歌曲が多くて、特に季節の歌が多かった。
春には、朧月夜とかね。
それはだいたい、キッチンに立ちながら歌ってることが多かったから、包丁のリズムや料理の流れによって、いつも変拍子になったり、異様にフェルマータが長かったり。
それだけならまだいいけど、歌詞が鼻歌になったり、メロディーをアレンジしてたり・・。
でも、その歌声を聴きながら育った私は、いつでも音楽と一緒にいるようになった。
そして、お母さんが歌う曲を耳で聴いたら、ピアノで弾けるようになった。
それをお母さんは大層褒めてくれた。
私のピアノの音が好きだと言ってくれた。
私は、勉強も習い事も得意ではなかったけれど、ただひとつだけ、ピアノが好きだった。
子どもの時、お母さんに褒めてもらうことがなかったら、音楽の道には進まなかっただろうなと今でも思う。
私のお母さんは、褒めることが天才的に巧いと思う。
いつまでも笑っていてほしい。