雪空
明日が雪でもそうでなくても、構わない。
天気予報を見ても、アナウンサーの声が全く耳に入ってこなかった。
できることなら私の中の感情の塊を、全部雪空の彼方に投げてしまいたかった。
誰にも会いたくない、誰とも話したくない。
どこかに隠れてしまいたい。
親友の精一杯の気遣いが、逆に私の心に深くメスを入れた。
聞きたくないことを、言葉を選んで言ってくれたとしても、
それは言葉を選ばずに言っても同じことだった。
ただ、言わずにいてほしかった。
黙っていてほしかったんだ。
いつかこんな日がくるとは思っていたけれど、
冷静な言葉を選んで返事することが、今の私にできるすべてのことだった。
きっと、それは親友が期待した返事とはかけ離れていたはずだと思う。
けれど、それで終わるなら仕方ないし、後悔なんてこれっぽちもなかった。
私は、私を護る必要があるから。
誰にも寄りかかることのできない時の中で、
バラバラにならないように。
添え木を立てて。
明日になっても、明後日になっても、変わらないだろう。
返事も来ないだろう。
でも、それでいい。
自分を慰めてあげたい。
生まれて初めてそう思った。
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